ずっと海に浮かんでいる船ですが、どのように整備しているのか疑問に思う事はありませんか?
実は、船にも車の車検のように定期的に検査があります。この記事で紹介する検査の種類と方法を見れば船をどのように整備しているのかがわかります。
なぜなら、私の乗船している船も定期的に検査を受験し、またその手配をしているからです。
この記事では検査の種類とドックについてご紹介します。
この記事を読み終えると、工務監督のサポートが出来るようになるかもしれません。
広告目次
ドックとは何か
まずはドックの説明です。
ドックとは船渠(せんきょ)とも呼ばれ、船の建造、修理、点検等を行う場所です。
新しい船を作る時も、故障の修理時も、車検のような船の検査受験も全てこのドックで行われます。船を浮かべたままできる整備点検検査もあれば、船を海面上に上げないと出来ない項目もあります。
そして、船を海面から陸にあげる事を上架と言います。
上架の方法はいくつかあり船体を船台と呼ばれる台に乗せた後
- 1、海岸沿いに設置された斜路を船台ごと斜めに引っ張り上げる。
- 2、船の周りを囲って海水を抜く。(水槽に浮かべて水を抜くイメージ)
- 3、船台を設置した水槽ごと浮かび上がらせる。
等の方法で船を海面上に上げて船底(せんてい)を掃除して貝が付きにくい船底塗料を塗布したり、船底弁と呼ばれる機関冷却用等の海水取り入れ弁の整備を行います。また、プロペラを掃除したりと普段海面下にあって見れない部分の整備を上架中に施工します。
船の検査の種類
車は、車が快適に走行出来るか確認する法定点検と保安基準に適合しているか検査する車検。事業用、貨物等であれば3ヶ月及び6ヶ月点検などの点検検査が有ります。
船にも様々な検査がありますので紹介していきます。
- 1、定期検査
- 初めて船舶を航行させる時、船舶検査証書の有効期限が満了した時、また船舶検査証書の有効期限が終了後、再度航行する時に受ける精密な検査です。船舶検査証書の有効期間は、航行区域や総トン数などにより決まっていて、5年又は6年です。※航行区域はこちら
- 2、中間検査
- 定期検査と定期検査の間に受ける簡単な検査で第1種中間検査、第2種中間検査などがあります。
- 3、臨時検査
- 改造、修理等を行った時に受ける検査です。
- 4、臨時航行検査
- 船舶検査証書を持っていない船舶を臨時に航行させる時に受ける検査です。
- 5、その他(製造検査・予備検査・検定)
基本的には定期検査と中間検査が主な検査になります。現在私が携わっている船は平水区域航行の作業船で、定期検査は6年に1回となっています。
1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | 7年目 |
定期検査 | 中間検査 | 定期検査 |
上記表の検査を繰り返して新造船から廃船(売船)まで整備計画を立てていきます。使用年数は大凡20年程度を目安にします。常に海水に晒されている為、エンジンのみならず配管、船体の腐食が早く古くなればなるほど修繕費が掛かってしまいます。
新造後初めての定期検査を第1回目とし、2回目定期検査までが補償、改造。3回目定期検査までが保守、現状維持。4回目以降は売船を見据えた最低限の整備として中長期計画を立てる事により修繕費を圧縮しています。
広告船にも車検がある?船の整備工場【ドック】とは。まとめ
船は海上という気象海象に晒される過酷な環境で乗組員の安全を確保しなければなりません。その為に船舶安全法という法律によって検査や検査項目が厳しく定められており、これに則り定期的に検査を受けています。
船体構造からエンジンの解放整備まで様々な項目の検査が定期検査、中間検査毎に行われますが全て安全の為という事です。
船も車の車検と同じように船検を定期的に受けているという事でした。
おしまい
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